筑前煮

料理のなかでは嫌い…というか、今なお苦手な部類に入ります

 

あれは忘れもしない…小学2年かそこらの時、母が初めて作ってくれたんですよ、筑前煮。

 

で、それが不味かったんです。

これはたぶん、私だけが感じたわけではないのでしょう。弟も少し食べたきり箸をおき、閉口していました。

ただ父母の手前、不味いとも言えません

しかもこのとき父は旨そうに食べていました

なので私はなるべく笑顔を崩さぬように食べましたとさ、ちゃんちゃん。

 

そんなこともあってそれ以降、私は筑前煮というものに対し、嫌いというか苦手になりました。

母も察したのか、それとも飽きたのかは知りませんがそれ以降作ることはなかったです。

 

そして苦手なまま五、六年が経ち、たまたま泊まった宿で、たまたま筑前煮が出てきました。

正直いい思い出のない私は身構えましたが、口にいれて驚きます。

そう、その宿の筑前煮は、私の描くそれとは違う、想像以上の美味しさだったのです。

 

どのくらいかと言うと、衝撃を受けて電流が走るあの感じです。

 

たかが筑前煮だろう、とここで馬鹿にする人はおそらく本物を食べたことがないのでしょう。

それくらい、美味しかったのですよ。

ただ、いまだに苦手ですけどね(笑)

 

私はこの経験から、最初に良いものを食べておくことは大切だな、と思いました。

 

苦手な食べものというのは食わず嫌いを除けば、基本的に最初のイメージが悪かったから苦手なのであり、逆に言えば最初に最良のものを食べていれば、「まぁこんなものもあるよね。」で流せるんです。

偏食の人がこれなら食べられるよ!と言うものって、大抵美味しいものじゃありません?

 

だから、私は美味しいもの食べたがりなのです。

 

ちなみに母はその後、熱心に勉強して料理が美味しくなりました。

いまだに煮物の類いはあんまり美味しくないですがね…(笑)